2019/11/27委員会活動

『本人・ご家族の想いを支え、在宅・施設で最期を看取るために』

 

改訂された「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」では、“最期まで尊厳を尊重した人間の生き方に着目した医療を目指すことが重要である”との考え方が示されました。
その中では、本人がどのような医療やケアの方針、どういった生き方を望むかなどを、日ごろから繰り返し話し合うこと(ACP)の重要性が強調されています。また、その内容を本人・家族等と医療・ケアチームで共有することが大切です。
そこで、本人とご家族の最期の想いを汲み取り、想いをつなぐACPについて、宮崎大学大学院 医学獣医学総合研究科 教授 板井 孝壱郎先生をお招きし、9月21日(土)に「在宅・施設看取り研修」を開催しました。
 

テーマは、『最期の想いを汲み取り、想いをつなぐACPとは」~選択に迷う本人・家族を支える倫理チームづくり~

施設や訪問看護ステーション等から100名の参加者がありました。
板井先生が今までに関わってこられた事例を紹介しながらの講演は、非常にわかりやすく自分のかかわり方を考えさせられる内容でした。

 

「単純に延命治療をするかどうかではなく、その人の生きざまに寄り添いながら、その人がどう生き切りたいかを話し合うことが大事である。悩みながら、気持ちは揺れながら、決めきれないこともあっていいこと。本人の希望を書面にとることや、主治医はカルテに記載しておくこと。最も大切なことは「想いをつなぐ」ことができるような「町づくり」である」と強調されました。

講演後、それを実現するためにはどうしたらいいかについて、グループワークを行いました。
「死を考えていない人にどう話をすすめたらいいか」「時間がたつと気持ちが変わる。本人だけでなく、家族とのコミュニケーションが大事である」など、活発な意見交換が行われました。

アンケートでは、回答者全員が「とても役に立った」「やや役にたった」と好評価でした。
その他にも、「わかりやすかった」「意思決定を尊重すること。延命と救命の違いが分かった」「いろいろな人と話ができてよかった」などの意見が聞かれ、今後の看取り研修への要望も多くいただくことができ、大盛況に終えることができました。

 

この研修は、福岡県の補助を受けて開催しました。受講された方には、福岡県看護協会 看護師職能委員会Ⅱで製作した「施設看取りのあれこれ」をお配りしています。
今年一部改訂をいたしましたので、ぜひ施設の方と共有し、活用いただけたらなと思っています。
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