2016/01/14委員会コラム

インフルエンザ予防対策 vol.2 院内(施設内)感染対策

施設での事前対応

  • 来院者への注意喚起(ポスターなどで実施)
  • 呼吸器症状のある方へマスク着用指導
  • 施設内スタッフへ正しいマスク着用、手指衛生の徹底などの指導
     

施設で患者さん、利用者さん、スタッフが発症した場合

1.すぐに接触者の有無を確認することが重要です。
潜伏期間を考慮し、症状出現の1日前から発症後5日の間に発症者がマスクなしで飛沫を浴びる状態にあった方々をリストアップします。
リストアップされた方々には、発症者に最後に接触した日から5日経過するまでマスクの着用、個別での食事等の指導を行い経過観察します。
また、合併症などリスクの高い方に対しては、医師の指示のもと、抗インフルエンザ薬の投与を考慮します。
 

2.患者さん、利用者さんの発症が確認されたら、個室管理とし、標準予防策に加え飛沫感染対策を実施します。
発症者の部屋に入るときにマスクを着用し、退室時に使用したマスクを処分します。着用したマスクをそのまま使用し続けることは推奨しません。
また、皆さんがよく触れる場所の清拭と手指衛生により力を入れましょう。
 

3.スタッフが発症した場合は、原則として出勤停止期間を守りましょう。
また、処方された抗インフルエンザ薬は症状が無くなっても最後まで服用しましょう。
ただし、発症者が増加してくると、スタッフ不足がおこります。まず、別部署からの応援依頼をおこなってください。
それでも不足する場合は、解熱後48時間が経過し体調がよければ、発症後5日を経過するまでマスク装着の上で勤務をする必要があるかもしれません。ここは施設の状況に応じてご対応ください。

呼吸器症状があるにもかかわらず、マスクもせずに勤務しているスタッフを見かけることがあります。感染対策はスタッフが一丸となって実施しなければ実施していないのと同じです。一人ひとりの意識が大切となります。
例年、1月の第2~3週に流行のピークが来ています。そのときこそ、鼻だしマスク、顎隠しマスク、ネックレスマスクのような伊達マスクではなく、正しいマスク装着と手指衛生を実施してください。

4人部屋で1人の患者さんが発症した場合の周囲の患者さんへの対応は?

共有しているものがなく、周囲の患者さんとの1~2m以内の会話がなければ予防投与は通常必要ありませんが、接触リスクが高い、合併症などによる発症リスクが高いと判断された場合は、予防投与を考慮してください。困ったときは、地域の保健福祉環境事務所、拠点病院にご確認ください。
 

◆福岡県看護協会 感染管理委員長 山下 智雅(飯塚病院 医療安全推進室 感染管理認定看護師)

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